イベントが無いのならバイクのメンテナンスはどうでしょう?
今年はイベントに参加する、という事は出来なさそう。
と言って何もしないでいるのは精神衛生上良くありません。
せめて日頃楽しませてくれているバイクに感謝の気持ちを込めてオーバーホールをしてみてはどうでしょうか?
本来この季節は皆さん一所懸命にペダルをこぎこぎしているはず。外に走りに出るには何となく気が引ける今だからこそ
いつもの生活に戻れた時にパッと完璧に整備されたバイクに乗って出かけられるようにしておいた方が絶対にいいです。
先日もそんな話でオーバーホールの依頼を頂きました。
折角なのでどんな作業をしているのか?ご存じない方も多いと思いますので一連の流れをご紹介。
これを見たら通常から30%OFFで作業できるカスタマーの皆さんはきっと『バイクランチで良かった』そう思っていただけるはず。
まず、ディスクブレーキのタイプでしたので洗車前にブレーキオイルの交換作業から。
最初にやるのはオイルが他の所についてもこの後に洗車すれば綺麗に出来るからです。
オイルを入れ替える前に重要な作業。写真の白く丸い部分がピストン。これを掃除しておきます。
この部分が飛び出してブレーキパッドを押し付ける役割をしているのですが、汚れが酷くなると動きが悪くなりブレーキタッチがイマイチになったりパッドがローターに当たりやすくなります。
クリーナーや綿棒等を使用して綺麗に。見比べてもらうと汚れ具合が良く分かりますね。これが終わってからオイル交換へ。
随分と真っ黒になっています。MTBに比べてロードの方がブレーキへの負担が少ないものの約2年の使用でこんな感じになります。
汚れたからと言ってブレーキが止まらなくなるわけではないのですがフィーリングに大きな違いが出ます。
これが本来の色です。これで安心して止まることが出来ます。
さてお次は外で車体丸ごと洗車。まずはグリスなどの油汚れの部分にディグリーザーを使用して綺麗に。BB周りも異音防止、錆防止の為にグリスをたっぷり使用してますので
そのあたりを重点的に。
その後に全体を洗剤でゴシゴシ。
私はこの時に『お疲れ様』と労を労う様に心掛けております。 この気持ちこそがオーバーホール作業に最も必要だと考えています。
さて、沢山のパーツも洗浄していきます。ロードバイクなのでパーツ点数は少ないです。それでも分解できる部分をバラバラにしていくとこれぐらいの量になります。
このパーツも洗っていきます。一番右がウルトラソニック…。簡単に言うと超音波洗浄機。
大きな部品はブラシで一つづつ。この時にスプロケット等の摩耗具合をチェックもします。
ビーっと結構大きな音で頑張ってくれている超音波洗浄機。こちらには小さなネジやブラシでは洗うことが出来ない細かい部品を綺麗にしてもらいます。
効率よく更に手よりも出来栄え良くする為の機材導入も大切です。
洗浄が完了したら今度は乾燥。パーツが濡れているままでは錆が出てしまいます。とはいえほとんどのパーツが錆びないアルミやカーボンですが。
今までが下ごしらえであればこれからが調理。組立作業を行っていきます。
まずはホイールから。写真はタイヤの内側。リムの部分ですが、リムテープのへこみとズレがありました。チューブレスで使用しているのですが、快適な乗り心地のチューブレスを維持するためには
こういった部分のメンテナンスが重要です。
バルブのつまりも改善しておきましょう。シーラントを入れるチューブレスはどうしてもバルブがつまり空気が入れにくかったりしやすいですが、まめに掃除すればある程度長持ちさせられます。
さて、バラバラのパーツを組み立てましょう。ネジは一つ一つグリスを塗布。緩んではいけない部分は緩み止めを塗布しながら。
グリスはそれぞれのパーツ、ライダーの用途に合わせて選択していきます。良く回転する部分、汗やドリンクでダメージを受けやすい部分、固着しない様にしたい部分等々使い分けます。
更に、ライダーが何を重視しているかも大切。雨の日も乗ったりハードに使用する人ならば回転は多少重くても強いグリスを選択。とにかく速さ、軽さを重視するなら回転部分は軽くなるように
さて、フレームはガラスコートをしてあるので全体を軽く磨きます。更にガラスコートと同じクレストヨンドから発売されているガラスコート後のメンテに役立つガラスの盾を塗布。
これで再びピカピカに生まれ変わります。
綺麗にし終わったら次はBB交換。
今回オーバーホールをする事になった発端はこのBB。
トレックはBB90という企画で左右にベアリングが圧入されている為、個体差によって踏み込むと異音がするようになってしまいます。
そこで登場するのがトーケンのニンジャ。私はBB90に使える数少ない左右を結合するタイプのBB。これならば今まで経験上異音はほぼ100%解消できます。
勿論新品をそのまま使用するのではなく、ベアリング部分には新品であってもグリスが足りない事もしばしば。あらかじめチェックと追加をします。
BB90はベアリングが目一杯外側についているためシール性が悪いです。なので今回はあえて回転よりも耐久性をとりました。
そして見落としがちなのがブレーキパッド。
キャリパーブレーキの時は段々ブレーキレバーがハンドルに近づいてきたので減ってきたかなと思えるのですが、油圧ディスクはピストンが飛び出してある程度調整してくれるので気が付きにくい。
忘れていたら全くなかったというのは良くあることです。
組立終わったらもう一つ。Di2のファームウェアアップデートが無いかどうかチェック。電動シフトだとこういった作業も増えてきます。
完成写真を撮り忘れたのでこれで終了ですが、スムーズに出来ても2日は掛かるオーバーホール。皆さんに良くなったと喜んでもらえるのが嬉しい作業です。
今なら1週間でお渡しできるので日曜日預けの日曜日渡しが出来ます。
今が乗れない季節ならそのタイミングがきた時にパッと乗り出して楽しめるように準備しておきましょう!