オーバーホールの季節です。
冬の代名詞、『オーバーホール』の季節がやってきました。
良く走る人は毎年恒例。やらなければ来シーズンはやってこないと言わんばかりに依頼がきます。
今回は他県から引っ越されて来たトライアスリートのSHIV。
とても綺麗に乗られている方で、先日行われた九十九里浜のトライアスロンに参加してきたという事でしたが聞けば自分の着替えよりもバイクの掃除を優先するそうです。
一見オーバーホールの必要性は無い様に見えます。しかし、バラしてみると…。
クランクを外してみるとやはり海岸の砂と思しき細かい砂が沢山。フロントディレイラーも同様です。
これは後ろのハイドレーションタンクをフレームに固定しているネジですが、白いのはドリンクの結晶ですね。どんなに綺麗にしていても見えない所は乗った事による汚れが蓄積しています。
BBのベアリングもシールを外してチェックと清掃。新品の状態でもグリスがたっぷり入っているとは限りません。オーバーホール後に新車よりも良くなったと言ってもらえることがありますがこういった細かい所までグリスアップをしている効果があるんだと思います。
ちなみにS-WORKSに使用されている事が多いセラミックスピード社製のベアリングは5000キロ毎にグリスアップが必要です!
ブレーキオイルも交換し、ブレーキまわりも勿論リフレッシュ。 特にキャリパーのピストン掃除は大切です。ブレーキタッチが全然違いますよ。全バラのオーバーホールでなくともブレーキだけメンテするのも良いと思います。
ヘッドパーツですが、丁寧に綺麗に乗っていても仕方がありません。汗かかない人も水飲まない方もいませんので。皆さんのバイクもこうなっていると思ってください。
一つ一つシールを外して、洗浄してグリスアップして元に戻していきます。グリスも色々と種類があるので場所によって使い分けています。
BBは先程説明したようにセラミックベアリングなので専用品を使用しています。ですが、外側は水の侵入を防ぐためにヘッドベアリングと同様水に強いグリスを外側に塗布。
SHIVのハンドル回りはとても複雑な構造をしています。当然ネジも多くていい加減に組み立ててしまうと後で外れ無くなったりするので一つ一つ丁寧にグリスを塗布して組み立てます。
2本のボルトを使いスペーサーが積んであります。その上に角みたいなDHバーが取り付けられているんです。
このネジは汗、ドリンクとの最前線で戦っているネジと言っても過言ではありません。こちらも丁寧に労わってあげます。
これで来年も良いバイクの性能を最大限発揮して走ってもらえます!
こんな感じでオーバーホールをしています。
新車の組み立ても楽しいですが、私はこの頑張ってきたバイクに感謝して来年も頑張ってもらうような感じがするオーバーホールという作業が好きです。
とても時間の掛かる作業ですので春先だと作業しきれなくなってしまいますので早めに持って来て下さい。