ビックギアは男のロマン
最近ヨーロッパのプロ選手がフロントのチェーンリングを大きな歯数で使っていると耳にして、早速自分も試してみようと思い立つ。
トレンドに乗っかってみようと思ったのもあるが、TTバイクに乗り換える際にパーツ不足で希望の歯数が付いたクランクが手に入らず…。仕方なく52-36Tを使っていた。
これが実に具合が悪く、ペダルを踏みこむ感覚が悪い。体重が上手く乗らない。最初はバイクの変更でポジションが定まっていないからかな?と思っていたが1年乗ってそうではない事を確信。
思い切ってデュラエースの54-40Tを購入し使ってみると実に調子がいい。
グッと体重が乗ってスピードが出せる様に。高瀬川堤防道路では45キロ巡行は楽々。
しかし、何か物足りない。世の中にはもっと大きなギアがある。探しました。そんな折に、岩井商会さんから入荷のお知らせメール!
そこにあったのがコレ!
ミケと呼ぶみたいです。イタリア製のチェーンリング。大きさはなんと56T。インナーもデカいので見えませんが44T。
めちゃくちゃ格好いい~!
ラインナップは58Tまであるのですが、スピードコンセプトはフロントディレイラーの取り付け位置がこれで限界なので仕方なくです。
価格はデュラエースと同じ位で、アウター税別30,300円、インナー税別7,000円。
ちゃんと形状のあったチェーンリングボルトが付いてくるので決して高くはないです。
そんなの踏めないよ。と思われるかもしれませんがリアスプロケットも巨大化させたのでそうでもないんです。
後ろは11-34T。デュラエースで34Tが使えるなんて嘘みたいですね。ギアの大きさばかりに目が行くと駄目ですが、ギア比計算をしてみると重くはないんです。
例えば一番軽いギアは以前使っていたギアが前が39T、後ろが28T。今回が前が44T、リアが34T。
計算すると39÷28=1.3928
44÷34=1.2941 となるのでむしろ今回の設定のほうが軽い。
これは私自身驚き。皆さんもすでに後ろは34Tの方以外はこの選択肢が出来るので
フロント50-34Tでリアが11-30Tを52-36Tの11-34Tにすると…。
34÷30=1.133
36÷34=1.058なので前でのチェーンリングを大きくしても問題なしです。
最後にそもそもなぜに大きくするのか?ですが、
それは格好いいから
これに尽きます。わかる人だけわかってもらえればいいのですが、男は誰しもビックシングルのドッカンターボに憧れたことがあるはずです。大きいカタツムリのようなターボチャージャーそれがエンジンルームに鎮座。たまりません。
っとすいません。ちょっと冗談が過ぎましたが、きちんとした理論があります。
小さいギアにチェーンを掛けると大きくチェーンが曲がります。反対に大きいギアは緩く曲がります。このチェーンが折れ曲がっている角度が深ければ深い程抵抗なんです。
ビックプーリーもそれと同じ原理で抵抗を減らす役割を果たしています。プーリーの歯が小さいと大きなS字になりますよね。
もう一つはチェーンライン。
アウターローは抵抗が多いから使うな。聞いたことがある人も多いはず。チェーンが斜めになると当然抵抗が増えます。それをフロントチェーンリングを大きくすると改善できる場面があります。
例えばフロント50Tのリアが11Tの場合のギア比は4.545ですが、これを56Tで計算すると後ろは重いギアから3番目位を使うと同じになります。
アウターロー程ではないにしろアウタートップもチェーンはねじれています。しかも11Tという小さいギアになるのでチェーンは沢山折れ曲がっていることになります。
要するに駆動系の抵抗が減る訳です。
これからオーバーホールの時期なので興味のある方は相談してください。